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仏式結婚式

平成21年5月31日、薬師寺慈恩殿において一般の方の結婚式が行われました。

薬師寺では年十数回、仏式の結婚式が執り行われます。

式は新郎新婦の入堂、式衆(僧侶)入堂、新郎新婦や親族のお写経の奉納式、そして式が始まります。

三三九度、親族固めの杯を致します。神式ではよく用いられていますが、薬師寺でも行っています。お酒(日本酒)はお米からできています。そのお米の魂が醸されたお酒を共にいただことにより、赤の他人であった二人に共通の魂が流れあい、夫婦という関係ができます。「稲寿共魂(とうじゅきょうこん)の儀」または、「共食(きょうしょく)の儀」を意味しています。

「和」の文字は禾へんに口です。禾へんは稲などの穀物を意味し、それを共に口にする文字です。

心やわらぎ、むつみあい、一つに溶け合うということです。

その後、新郎新婦、参列者と共に読経『般若心経』『父母恩重経』を読誦します。

『父母恩重経(ぶもおんじゅうきょう)』の和文にしたものを読むのです。この経は、こどもが生まれて成人になるまでの父母の恩を身近に説いた、しかも和文になっているので読むと意味がわかります。

この経の中で、親が子にたいする十種の恩が説かれています。

①懐胎守護の恩(かいたいしゅごのおん)お腹の中に宿してからお産までの十月十日命を守ってくださったお母さんの恩。

②臨生受苦の恩(りんしょうじゅくのおん)出産のときの苦しみの恩。

③生子忘憂の恩(しょうしぼうゆうのおん)子が無事に生まれたことで、それまでの苦しみをすべて忘れ、よろこんでくださる。深い愛情の恩。

④乳哺養育の恩(にゅうほよういくのおん)1百80斛(こく)に及ぶお乳を飲ませ育ててくださった恩。

⑤廻乾就湿の恩(かいかんじゅしつのおん)おねしょで湿っているところへ代わってお母さんが寝てくださる恩。

⑥洗灌不浄の恩(せんかんふじょうのおん)おむつを汚いとも思わず洗ってくださる恩。

⑦嚥苦吐甘の恩(えんくとかんのおん)甘い、辛い、苦いを吟味して食べさせてくださる恩。

⑧為造悪業の恩(いぞうあくごうのおん)子の為なら悪いことでもあえて行ってくださる恩。

⑨遠行憶念の恩(おんぎょうおくねんのおん)遠くに旅に行ってもいつも心配してくださる恩。

⑩究竟憐愍の恩(くきょうれんみんのおん)親がいのちある間は、子の身に代わらんことを思い、死んでからは子を守りたいと願ってくださる恩。

父母の恩重きこと、天の極りなきが如し。

結婚とは、良縁結ばれてと申します。仏教では「縁」と申します。

「縁」は夫婦のみならず、ご先祖からの縁も含まれるのです。

故高田好胤和尚は結婚式でよくお話をされた言葉に「愛は辛抱です 愛は感謝です」「人生は辛抱です 人生は感謝です」と申しておられました。

式の後、新郎新婦は金堂の薬師如来、日光、月光両菩薩に参拝しました。

薬師寺には仏式の他、休ヶ岡八幡宮において神前結婚式を行うこともあります。

ご希望のお方は、薬師寺までお問合せ下さい。

なお、結婚式の前に式の導師をする僧侶と新郎、新婦になられる方と事前にお会いさせていただいて、いろいろお話を聞かせていただいています。

合掌

※『父母恩重経』をご希望の方は、お仏壇屋でお尋ね下さい。

薬師寺、薬師寺東京別院にもございます。

高田好胤和尚の著書「母」「三人の天使」。

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